老いたペットの介護、そして看取り


サブ

在りし日のサブ、セピア調にしてみました。

滋賀ペット治療院の山路です。
主に往診でペットの鍼灸治療をしています。

よく、「年をとって介護が必要になったからもう世話ができない。」とか「病気になって弱っていくのを見ていられない。」などという理由でペットを手放す人がいます。

今現在介護をがんばっておられる飼い主さんからすると信じられないような話ですが、実際に保健所や愛護センターに「もう世話ができない」と犬猫が連れて行かれる理由に、上記のような「介護が大変」「死ぬのを見るのがいや」と言う飼い主さんは残念ながら少なくないのです。

生き物の死を看取るのは辛いことですし、どんなにしても無力感は残ります。
一生懸命投薬や治療をしたけど、足りなかっただろうか。あれをした方がよかったかも、しなかった方がよかったかも。
自分はこんなに一生懸命だけど、ペットは本当は嫌がってないだろうか。
苦しむのを長引かせてないだろうか・・・

いろんな思いや後悔は決してゼロにはなりませんが、動物は生きている限り、ただ淡々と一生懸命「生きる」ことを続けるものだと思います。
それを、少しでもその子らしく生を全うさせてあげるのが飼い主の役目であり、飼い主の一生懸命な思いは絶対に通じていると思います。

高度な医療を選択する方もあるでしょうし、自然な成り行きに任せるという方もあると思います。場合によっては、安楽死という選択もあるかもしれません。
いずれにしても、自分のペットが生き生きと毎日を暮らし、最期のときを少しでも楽に迎えられるよう工夫して環境を整えてやること、できれば一緒に最期を迎えてやることは飼い主さんの一番大事な努めです。

「死ぬのを見るのが辛い」なんていう悲しい理由でペットを手放さないでほしいです。
介護の仕方、看護の仕方、今は探せばたくさんのよい情報があります。それをお手伝いしてくださるプロの方もたくさんいますし、同じ仲間同士情報交換もできます。

私のペットたちが最期を迎えるとき、「この人のもとで暮らせて幸せだった」と思ってくれるかどうかはわかりません。
でも、少なくとも私は今までたくさんの楽しい思い出をくれたペットたちに、せめて「うちの子でいてくれてありがとう」とお礼を言いたいと思うのです。

サブとブラジルのタオル

亡くなる一ヶ月前のサブ

また、もしできればそんな理由で飼い主さんから捨てられたペットを保護しておられるボランティアの方も大勢います。
シニアの動物を我が家に迎えるという選択肢も考えていただけたらと思います。


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