滋賀ペット治療院の山路です。
滋賀県で犬猫の鍼灸整体治療を行っている動物病院です。
今日は、これから来る猛暑の夏を乗り切る方法についてのお話です。
7月6日は二十四節気では「小暑」の始まり
小暑とは、梅雨が終わりに近づき、次の大暑を迎えるまでの期間で、徐々に暑さが増していく時期を指します。
そう、本来なら今はまだ梅雨真っ只中で、だんだん暑さが本格化してくる頃…の、はずなんです。
ところが、今年は関西では6月末に早くも梅雨明けしてしまい、その後は毎日うだるような暑さが続いています。
ほんとうに、「小暑って何?」って思ってしまいますね。
暑熱順化について
さて、人間には「暑熱馴化」という機能があります。
体を徐々に暑さに慣らしていくことで、これによって熱中症の危険性を減らすことができるのです。
具体的には、暑くなる前から軽い運動や入浴で「汗をかく習慣」をつけます。
人間の体は汗をかくことで体内の熱を気化熱として放出し、体温を下げます。
これがうまく機能しないと、体内に熱がこもりやすくなり、熱中症の原因になってしまいます。

犬と一緒に走るときは涼しい時間帯に!
【汗をかくことの重要性】
人間にとっては、「汗をかく」というのはとても大事な機能です。
ところが、現代人は日頃から体を動かして汗をかく習慣のない人が多く、いざ気温の高い季節になったときに上手に汗をかけないために体温調節がうまくいきません。
また、加齢などにより自律神経がうまく働かなくなったり、筋力の衰えで汗をかけなくなってしまうこともあります。
この暑さですから、エアコンを使わないで生活するのは自殺行為なのですが、かと言ってずっとエアコンで体を冷やしてしまうと外気温とのギャップで自律神経の働きが悪くなります。
そして、よけいに汗のかけない体になってしまい、体の中に余分な熱や湿をため込むことになってしまいます。
これでは、暑さバテまっしぐらですね!
上手に汗をかく
もうひとつ、汗をかくのにも「上手なかき方」があります。
一般には、汗と一緒に体の塩分が一緒に外に出てしまいますので、熱中症予防には水分と一緒に塩分を摂ることが推奨されます。
ところが、アスリートなど日頃から運動して汗をかき慣れている人たちは、汗と一緒に塩分を出さない水のような汗をかくそうです。
つまり、汗をかくことでミネラルバランスが崩れるのを防ぐように汗のかき方が変わるのです。
実は、熱帯地方に住む人たちも同様の汗をかくと言われており、暑熱馴化によって私たちもこのような汗をかけるようになるそうです。
「汗をかく」こと一つ取っても、人間の体というのはよくできているんですね。
動物の場合は?
人間の場合は暑熱順化によって「汗をかきやすい体」を作り、本格的な夏の暑さで体がまいってしまわないように準備をすることができますが、犬猫はそうはいきません。
ご存じのように、犬猫は人間と違い、「水のような汗をかけない」体です。
したがって、体内の熱を放散するには口からのパンティングが頼りです。
もちろん、皮膚からも多少は水分が蒸散しますが、人間のように滝のような汗をかいて熱を放散することはできません。
猫は比較的犬よりは暑さに強いのですが(その分寒さには弱いですが)、犬は暑さに弱く、毛皮を着込んだ体は熱をため込んでしまいがちです。
実際、熱くなりかけの頃には犬も体温調節がうまくいかないせいか、体内に熱がこもって粘液のような便が出たり、下痢になったりすることが良くあります。
また、運動不足と暑さで食欲が落ち、ますます動かなくなるという悪循環に陥ることも。
とにかく冷やす
そんな暑さに弱い犬たちに夏を快適に過ごささせるには、一にも二にも冷やすことが大事です。
エアコンの効いた部屋にいられるのであれば、室温が25〜26℃ぐらいを保つようにしてあげましょう。
ただ、この温度だと人間や猫さんには少し低すぎるかもしれません。
外気温とのギャップを考え、様子を見ながら28℃ぐらいまでは許容範囲として調節してあげましょう。
熱いところに出るときは首や脇腹などを直接保冷剤で冷やすようにしてあげましょう。
汗による気化熱の放散がないため、扇風機は体温を下げる効果はあまり期待できません。
でも、カートの中などに熱い空気がこもらないようにするためには、小さめのファンを回してあげるのもいいですね。
飲み水には注意
水分補給も、もちろん重要です。
基本的には一日あたり体重×50ccの水分が必要です。
水だけで飲みにくい場合は山羊ミルクやピューレ状のものを混ぜて飲みやすくしてあげるといいですね。
シニアの子には、液体をうまく飲めない子もいますので、粉寒天で少し固めてプルプルになったものを口に入れてあげてください。
ここで注意が必要なのは、水のがぶ飲みをさせないことです。
この時期、水辺で遊ぶワンちゃんも多いと思います。
川で溺れる事故と同じぐらい注意が必要なのが、「真水の飲みすぎによる水中毒」です。
あまりにも大量の水をがぶがぶ飲みすぎると、体液のナトリウムが薄くなりすぎてふらつきや嘔吐、下痢、めまい、ひどくなると意識がなくなり、死に至ることがあります。
また、そこまでではなくても水を大量に飲んでいきなり動くと、犬種によっては胃捻転の症状が出ることもあり、危険です。
水分補給は人間も同じですが、こまめにしてあげるようにしましょうね!

水遊びのときにも水を飲み過ぎないようにね!
暑さをやわらげる鍼灸ケア
いつもお伝えしていますが、クールダウンのためにローラー鍼で全身をコロコロしてあげるのは、夏バテ予防にも効果があります。
全身を優しくコロコロすることで体液の循環がよくなり、熱交換も活発になります。
また、リラックスすることで自律神経も整います。
毎日一回ローラー鍼、犬猫が夏を快適に過ごすためにも必須です!
また、エアコンで冷えてお腹が緩くなったり手足の先が冷えたりする子にはお灸をぜひ。
腰のところを温めてあげるだけでも気持ちが良くなりますよ!
日々のケアに鍼灸の手技を取り入れて、これからますます暑くなる夏を家族みんなで快適に過ごしてくださいね!

東洋医学の知恵で季節を乗り切ろうね!
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