ペットとの別れ
滋賀ペット治療院の山路です。
滋賀県で犬猫の鍼灸整体治療を行っています。
我が家の愛犬ゴンさんが亡くなって、早いもので今日で四十九日を迎えました。
四十九日だからどうというわけではないのですが、一つの区切りとしてブログに書いておこうと思います。
ゴンさんは昨年の12月に肺癌の確定診断がされました。
そのときは「余命2ヶ月」と言われ、かなりショックを受けましたが、その後も本犬的には食欲もあり、かなり元気に過ごしていました。
分子標的薬のパラディアが効いていたのかどうか、一見すると「ほんとに癌なんてあるの?」と思えるほど普段と変わらない年相応の振る舞いでした。
具合がおかしくなり始めたのは7月ごろです。
ときおり散歩中に立ち止まったり、脈が少し速いのが気になっていましたが、暑くなってきたせいだと思っていました。
7月の終わりに突然倒れて口腔内の粘膜や舌が真っ白になったのですが、その後は復活したのでこれも暑さのせいだと思い込んでいました。
病院ではできることはありません
8月に入ってからは目に見えて動きが苦しそうになり、貧血が進みました。
お盆明けに心エコーを撮ってもらい、「肺高血圧症による右心不全が進んでおり、病院ではもうできることはありません」と言われました。
この「病院ではできることはありません」というのは、飼い主側にとってはかなりのパワーワードです。
実際、目の前で苦しんでいるのをどうにもできないということですから。
私は獣医師なので病状もそれなりに理解はしていましたが、それでも諦めきれず、「気休め」と言われた肺高血圧症の薬を飲ませたり、心臓の薬を違うものに変えたりしました。
食事やサプリを変えたり、少しでも癌や心臓にいいと思われるものをあれこれ試しました。
そのおかげかどうかわかりませんが、その後は少しだけ持ち直したように見えました。
また、食欲も回復し、便の状態も良くなってきました。
このまま少しずつ回復して、「涼しくなったらまた元気になる」と思って毎日看護していましたが、実際には病状はどんどん悪化していたんですね。
最期の最期にできることは
9月6日の朝、前日まであんなに食欲もあってフードやパンを食べていたのに、その日は何も食べようとしませんでした。
朝から呼吸が苦しそうで、なんとか水だけを飲ませましたが、真っ黒なゆるい便が何度か出て、そのたびに苦しそうにしていました。
ゴンさんには、病気がわかってから毎日ローラー鍼やお灸、マッサージをしていましたが、ここまで苦しそうになるとできるのはただただ背中をさすってやることだけでした。
そして、そのまま苦しそうな呼吸が続いた後、息を引き取りました。
私は泣きながらゴンさんの名前を呼んで背中をさすり続けました。
もしかしたらまだ復活するのではないかと期待してましたが、無理ですよね。
今考えると、もう7月頃には肺高血圧症がかなり進行していたのだと思われます。
ちょうどその頃、下痢が続いたり急にドライフードを食べなくなったりしていましたので、肺高血圧にまで頭が回っていませんでした。
レントゲンで見たら癌が小さくなっているように見えたのも油断の一因でした。
もっと早く気がついていたら結果は違っただろうか・・・とも思いましたが、肺癌がかなり進行していましたので、おそらくそんなには変わらなかったかもしれません。
ペットの死をどう受け止めるか
以前、「愛犬の最期を笑顔で迎えたい」とブログに書きましたが、それはかないませんでした。
また、「愛犬には眠るように静かに息を引き取ってほしい」と願っていましたが、それもかないませんでした。
私としては少しでも楽になればと、薬を変えたりあの手この手で看護していましたが、それが逆に愛犬の苦しみを長引かせることになったのではないかと悔やみました。
でも、息を引き取る直前に私の方を振り返った愛犬の目は、「まだもう少しここにいたい」と言っているように見えたので、最後まで悪あがきしたのは間違いではなかったと思いたいです。
私の勝手な思い込みかもしれませんが・・・
ペットとの最後の時間をどう過ごすか、人によっていろんな考え方があると思います。
特に積極的な治療はせず、自然にまかせて旅立ってもらうという考え方。
できることはなんでもやって、一日でも長く生きてほしいという考え方。
どちらにしても、少しでも体が楽になるように、気持ちよくなるようにと看護する飼い主さんの気持ちはペットにはきっと通じていると思います。
ゴンさんの死後、たくさんの方から励ましの言葉をいただき、本などもいろいろ読みました。
その中で、「生と死は見え方が違うだけで実際は同じもの」「一つのものを違う角度から見ているだけ」と書いてある文章がとても印象に残りました。
東洋医学で言う「この世の中のものは全て氣でできている」という考え方は現代科学では「物質を構成するのは分子や電子などの粒子である」という説明になるかと思います。
死ねば体は細かい粒子に戻っていくだけ。
そして、魂と呼ばれるものも目に見えてないだけで粒子の集まりで、体から離れた後は違う形になって存在しているのかもしれません。
この世界は全て繋がっていて、この世での出会いや別れは宇宙から見たらほんの一瞬のことですが、それは永遠に続いていくものだとも考えられます。
ゴンさんと過ごした9年間も宇宙から見たらほんの一瞬ですが、それは今は形を変えて永遠に続いていくのかもしれません。
おかげさまで、良いご縁をいただき、11歳の白柴さんを新しい家族としてお迎えしました。
とても穏やかないい子で、前の飼い主さんが大切に育てておられたのがよくわかります。
もしかしたら、ゴンさんが結んでくれた縁なのかも…と思ったりします。
これからは、新しい家族に我が家でも今までと同様楽しく過ごしてもらい、穏やかな最期を迎えられるように頑張りたいと思います。
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もし、この中のどれかがあてはまるなら・・・
- シニアになったペットにずっと健康でいて欲しい。
- 最近うちのペットは足腰が弱くなってきた。
- 保護犬、保護猫を迎えたけど、どんなケアをしていけばいいだろう。
- 世間で噂のローラー鍼やお灸に興味がある。
- 自分のペットを楽にするために何かしてあげたい。