年末ですが我が家の犬の話
滋賀ペット治療院の山路です。
滋賀で犬猫の鍼灸整体治療をしています。
先日、我が家の犬のレントゲンを撮ってもらいました。
以前から足腰がおぼつかなくなってきており、年齢的には変形性関節症かなと思っていましたが、確認の意味もあって撮ってもらうことにしました。
やはり、脊椎はあちこちが狭くなっていたり骨増生があったり、特に腰椎と仙椎の境目は変形が大きく、最近の足腰の動きの悪さはこれが原因だろうと診断されました。
そのついでに、胸部も撮ってもらったところ、肺に大きな影が見つかりました。
岐阜大学での精密検査の結果は、「肺が原発の腺癌」とのことでした。
結果を聞いたときはショックでした。
最近、よく喉の奥に何か引っかかっているような咳をすることが多くなりましたが、年齢のせいか、心臓の肥大からくるものだと思っていました。
元気で散歩も喜んで歩くし、食欲もあるのでまさか肺にそんな大きな腫瘍ができているなんて思いもしませんでした。
もっと早く見つかっていればもう少し治療法もあったのかもしれませんが、かなり大きくなっているのと肺の中に転移も見られ、手術や放射線治療は無理。
また、抗癌剤も犬の肺腺癌に効果があるものはないため、実質治療は困難と言われました。
そこで、分子標的薬のパラディアを試すことになり、それで少しでも進行が遅くなるか、腫瘍が小さくなれば呼吸の圧迫が少なくなるかも、と。
その分子標的薬も効果があるかどうかはわかりませんので、気休め程度かもしれません。
ただ、何もしないよりはいいかも・・・と、パラディアによる治療を決めました。
本犬はいたって元気で食欲もあり、見た目には14歳という年齢相応の衰え方に見えます。
でも、このところ咳の頻度が増え、以前より苦しそうな咳になってきたようです。
(もしかしたら、麻酔時の気管挿管の影響かもと言われましたが)
獣医師なのに、もっと早く気付いてやれなかったのだろうか。
そう思うと後悔ばかりで、診断を聞いたときは涙が止まりませんでした。
ペットとの別れはいつかは必ず来る
私は、うちの犬を6歳で引き取ったとき、
「大型犬だから寿命は12歳ぐらいかな。たった6年しか一緒にいられないかも」
と思っていました。
でも、実際には最近は大型犬も寿命が延びていて、17・18歳は珍しくないことを知り、
「足腰は弱くなってきたけど14歳なんてまだまだ!」
と、ゆっくり老いていく愛犬と一緒にゆったり過ごす日々を思い描いていました。
家のペットにはぴんぴんころりと旅だってほしい。
飼い主なら誰もが思うことですよね。
たとえ病に冒されたとしてもできる限り苦しまずに逝ってほしい。
いつも末期の犬猫をケアする飼い主さんには
「いつも通りに楽しく過ごしてあげてください」
というお話をします。
犬猫にとっては自分がどんな病気になっているのかは理解できませんから、ママやパパの悲しそうな顔を毎日見る方が辛いですよね。
でも、いざ自分がその立場になってみるとやっぱり割り切るのは難しいですね。
当然だけど人間も必ず死ぬ
先日、「がんが消えていく生き方」という本を読みました。
その本の最初に、
「人間は100%死ぬのだから、死ぬまでを生きればいい」ということが書かれていました。
確かにその通りで、全ての生き物は絶対にいつかは死にます。
それだけは間違いないことなのに、いざ「もうすぐ死ぬよ」って言われると慌ててしまうもんですよね。
うちの犬は「余命の中央値は2ヶ月」と言われました。
でも、余命なんてあてになりませんし、第一私の方が明日死ぬかもしれません。
どんな最期を迎えるかなんて誰にもわかりませんが、確実に最期が来ることだけは間違いありません。
これからどう病態が推移していくかわかりませんが、それまではできるだけ楽しく、毎日を今まで通り笑顔で一緒に暮らしたいと思います。
まだまだ、一飼い主としてできることはたくさんあると思いますので。
ローラー鍼とお灸はやはり効果大です
精密検査のあと、麻酔がなかなかすっきり覚めずに気持ち悪そうにうろうろしていましたが、ローラー鍼をかけたらすぐに楽そうに横になって寝ることができました。
また、毎晩冷えの解消のために腰へのお灸をしています。
これも、お灸のあとはとても気持ちよさそうに寝てしまいます。
飼い主として緩和ケアのためにできることはたくさんあります。
愛犬を「病気の犬」扱いしないで日々を暮らしていこうと思います。
こちらの本、自らも癌患者となった外科医の先生による体験談です。
抗癌剤の説明や代替療法についてなど、医師としての立場から幅広い治療の選択肢と病気に対する心構えを知ることができます。
結局、東洋医学も西洋医学も「養生」が大事ってことですね!