滋賀ペット治療院の山路です。
主に往診でペットの鍼灸治療をしています。
鍼治療というと、足腰の動きが悪かったり、麻痺があったり、脱臼などの運動器系の病気に効果があるイメージですね。
人間でも、肩こりや腰に痛みがあるときに、鍼やマッサージで治療する方が多いのではないでしょうか。
でも、人間の場合もそうなのですが、内臓の疾患にも鍼灸は効果があるのです。
ワンちゃんによっては、子供の頃からお腹が弱いっていう子がいますよね。
繊細で神経質なタイプは人間でもちょっとしたことでお腹が緩みがちですが、それ以外にも食べムラがあって変わったものを食べるとお腹が下ってしまう子、お腹が冷えやすくて下りやすい子など、人間の子供さんと変わらない症状が見られます。
そんなワンちゃんたちにはお灸がとてもよく効きます。
お灸は体に熱を補う療法ですので、冷えの解消にはとても効果がありますね。
膵炎というのはどんな病気でしょうか
膵炎は、膵臓に何らかの原因で炎症が起こり、食欲不振・嘔吐などの症状を起こします。
急性と慢性の症状がありますが、問題となるのは急性の方が多いです。
急性の膵炎は、膵臓の消化酵素が自分自身を消化してしまうことで起こります。
膵炎になると、下痢、嘔吐などに加え、腹痛で抱かれるのを嫌がったり、お腹をかばうようなポーズをしたりします。
急性膵炎は進行が早いと命に関わることがありますので、上記のような症状が出たら早めに動物病院を受診し、血液検査などで診断してもらう必要があります。
膵炎の原因ははっきりわかっていない部分も多いのですが、肥満や、脂肪分の多いフードを多く食べることで膵臓に負担がかかり、膵臓の酵素が活性化してしまって自分を溶かすということが起きるようです。
また、膵炎になりやすい犬種というのも知られています。
ミニチュア・シュナウザーやヨークシャテリアなどは好発犬種です。
膵炎の治療法は?
犬の膵炎は、早めに診断して治療を開始すれば治る病気です。
膵炎と診断されたら、点滴や痛み止め、ステロイドなどで痛みと炎症を抑えたり、全身の状態を改善させる治療がされます。
このとき、鍼治療を併用させることで体調を元に戻す補助となります。
基本的に、西洋医学の薬は炎症を抑えるものも痛みを止めるものも、体を冷やす薬です。
体は冷えると血行が悪くなったり、免疫力が落ちたりします。
鍼灸治療は痛みを抑えながら、血行をよくし、体を温める方に作用しますので、西洋医学での治療に鍼灸を組み合わせることで、両方のいいところをとることができます。
実際、慢性的な膵炎による下痢で毎月動物病院に行っていたワンちゃんが、鍼灸整体治療を受けるようになってからほとんど下痢をしなくなり、動物病院にも行かなくて済むようになった事例があります。
消化器の病気だから・・・と思わずに、いろんな症状で鍼灸治療を試してみてください。
また、大阪分院では、食事講座を開催しています。
脂肪分の多い食事は膵炎だけでなく胆泥などの原因にもなりがちです。
市販のフードではなく、手作りの食事で愛犬のケアをご希望の方は、一度ご相談ください。