
滋賀ペット治療院の山路です。
滋賀県で犬猫の鍼灸整体治療を行っている動物病院です。
先日、たまたま「ネコの肥大型心筋症に関する新たなリスク遺伝子を発見」(リンク先はアニコムさんのページです)というニュースを見つけて、「もしかして、遺伝子で猫の心筋症が診断できるのか?!」と早とちりしてしまいました。
この文献(リンク先は同じくアニコムさんのページです)自体は3年ほど前のもので、内容は「特定の猫種以外にも肥大型心筋症のリスク遺伝子はあるよー」というものでした。
ということで、「猫の日」にちなんだわけではないんですが、今回いろいろ調べてみたのでせっかくだからこちらにまとめますね!
肥大型心筋症とは?

簡単に言うと上の図のように心臓の壁が分厚くなって内腔が狭くなるため、血液を押し出すポンプの力が弱くなるという病気です。
病気のステージは4段階
ACVIM(アメリカ獣医内科学会)が提唱するガイドラインによると、病気の進行度により「A・B・C・Dの4つのステージ」に分類されています。
問題は初期症状がほとんどないこと

「元気にご飯を食べているから大丈夫」は、この病気には通用しません。
猫の肥大型心筋症は、獣医学の世界で「サイレント・キラー(沈黙の殺し屋)」と呼ばれています。
ステージB(心臓に異常がある状態)であっても、猫は症状を示しません。
飼い主さんが「苦しそう」「元気がない」と異変に気づいた時(ステージC)には、すでに命の危機に瀕していることが非常に多いのが、この病気の最も恐ろしい点です。
特定の猫種だけがかかる病気ではありません

以前から言われているように、メインクーンやラグドールなど特定の猫種には確かに心筋症になりやすい遺伝子があり、発症のリスクが高いのですが、それ以外の猫種にもリスク遺伝子が見つかっている(上記の論文です)ため、「うちの子は該当しないから大丈夫」とは言えません。
リスク遺伝子を持っていても発症しない猫もいれば、持っていなくても発症する子もいて、遺伝子は決定的な要因ではありません。
聴診だけでは診断が難しいです

犬の心臓病は「僧帽弁閉鎖不全」が多く、聴診で心雑音を聞き取ることで診断の助けになりますが、猫の肥大型心筋症は聴診ではわかりません。
ですから、健康診断の際には必ず心エコーを撮ってもらうことが大切です。
特に、リスクの高い猫の場合は定期的に心エコーで状態を把握しておくことが大事ですね!
こんな症状が出たら病院へGO!!

この病気が発覚する症状の一つが「大動脈塞栓症」です。
血栓が後ろ足の血管に詰まることにより、猫さんは突然「ギャーッ」と鳴いて痛がり、後ろ足が冷たくなって動かなくなります。
脚が麻痺する症状というと、どうしても「脚の病気」と思いがちです。
骨折か、関節の痛みか、椎間板ヘルニアか・・・と疑ってしまうのですが、実は心臓の病気から脚の異常が出ることもあるんですね。
この症状が出たら、とにかく様子を見ずにすぐに動物病院に連れて行ってあげてくださいね!
飼い主さんによる日常の観察が大事ですね
「遊んですぐに疲れるようになった」
「呼吸が少し荒い気がする」
「寝ている時間が不自然に増えた」
など、加齢のせいにしがちな些細な変化が、心臓からのSOSである可能性があります。
特に、家庭での観察で一番わかりやすいのは「呼吸数の把握」です。
猫さんが安静にしているときの呼吸数を把握しておき、それと比べて増えてきたら心臓に負担がかかっているサインかも!

上の図を参考に、安静時の呼吸数を数えてみてくださいね!
もし、拡張型心筋症と診断されたら??
拡張型心筋症と診断された場合、病気のステージやその猫さんの状態によって治療の仕方が変わります。
積極的に投薬が必要な場合もあれば、こまめな検診で様子を見るという場合もあります。
いずれにしても、猫さんにとって快適な家庭環境を整えてあげることが大切です。
「快適な環境」と一口に言っても難しいのですが、「猫さんにとってストレスのかからない」空間を用意してあげられればいいのかな・・・と、私は思います。
いつも言われる、「バランスの良い食事と十分な水、ゆっくり休める場所と適度な運動」。
これらは全て、養生の基本でもありますね!
実は鍼灸も効果があります
当院は鍼灸整体治療専門ですので、そちらの観点からもお話をさせていただきます。
実際、鍼灸整体治療は心臓の病気にも良い効果を示します。
「鍼治療で心臓病が治る」というわけではなく、体を緩めて流れが良くなることで、弱っている血流の改善につながるのです。
鍼治療に関しては現代は様々な研究論文があり、一部の人が言われるような「プラセボで体が良くなったように思うだけ」という施術ではなく、れっきとした医学的なエビデンスもたくさんそろっています。
つまり、心身をリラックスさせることによって、自律神経のバランスが整い、結果的に血圧が下がったり心拍数が整ったりということにつながるのです。
さらに、血流の改善により、投薬による肝臓や腎臓への負担を軽減することにもつながります。
実際、当院に来られるワンちゃんにつきましても、鍼治療を続けていると心雑音が軽度になることが確認されています。
投薬にしても鍼治療にしても、心臓の病気を完治させるまでには至りません。
でも、猫さんの体を少しでも楽にすることでQOLの改善につながります。
犬猫に限らず、人間にとっても心臓の病気は文字通り命に直結する病です。
でも、こまめな検査や投薬、リラクゼーションによって天寿を全うすることも可能です。
悲観したり、諦めたりせず、地道に病気と付き合っていくことで楽しく日々を送ることができます。
心臓に不安を抱える犬猫の飼い主さんは、是非一度当院にもお越しください。
カウンセリングだけでも大丈夫ですよ!
オンラインでもカウンセリング受け付けておりますので、お気軽にご相談くださいね。
※ 今回の図につきましては、NotobookLMさんのお力をお借りしました。
あ、文章はわたくしが書いております!
もし、この中のどれかがあてはまるなら・・・
- シニアになったペットにずっと健康でいて欲しい。
- 最近うちのペットは足腰が弱くなってきた。
- 保護犬、保護猫を迎えたけど、どんなケアをしていけばいいだろう。
- 世間で噂のローラー鍼やお灸に興味がある。
- 自分のペットを楽にするために何かしてあげたい。




